【インハウスデザイナーのススメ】デザインのスケジュールは必ず納期から逆算して組み立てる

2017年11月23日コラムノウハウ, インハウスデザイナーのススメ

デザイナーにとって納期は切っても切り離せない関係です。

企業の中に勤めるインハウスデザイナーは制作会社のデザイナーと比べて比較的納期やスケジュールをコントロールしやすいと言われています。

仕事が立て込んでいる時でもクライアントからの要望なら断る事は難しいかもしれませんが、社内からの仕事の依頼であれば、自分の仕事の状況をちゃんと説明できればある程度融通を利かせてもらえる場合があるからです。これはインハウスデザイナーの大きなメリットの1つですね。

目次

納期は守って当たり前

冒頭で納期に関してはある程度融通が利くと書きましたが、インハウスデザイナーと言えど納期というものに関しては何よりも本気で、真剣に考えなければならない事のひとつです。

インハウスデザイナーに限った事ではないですが、まず納期は守って当たり前のものです。納期が守れないデザイナーはたとえどれだけ素晴らしい技術を持っていようと会社からは必要とされません。納期は守って当たり前ですが、破ると一気に信用を失うデリケートな要素です。

最初から納期を破るつもりで仕事をしている人はそうそういないと思いますが、それでも社会人には納期を守れない人というのが一定数いるのも事実で、恐らく皆さんの周りにも1人や2人はいるのではないでしょうか?

そもそもそういう人達は不足の事態が起きるケースとは別に、納期までのスケジュールの組み立て方を間違えてしまっているパターンが多いです。

スケジュールは必ず納期から逆算して考える

インハウスデザイナーは社内でチラシや広告を作る際、デザインのみ自分達で作成し印刷は業者に任せる…というパターンが多いかと思います。この場合納期というのは「完成したチラシが指定の場所に届く日」を指す事になり、デザインを完成させて印刷会社にデータを入稿して発注する日が締切です。

つまり納期を守るためには締切をいつに設定した仕事の進め方をするが重要になってきます。締切までの作業自体は根性論で何とかなる場合が多いのですが、納期を守れない人はこの締切日の設定をよく間違えてしまいます。

ここでひとつ例を出します。

12月1日からキャンペーンを始めるので当日の新聞朝刊の折込チラシでお店周辺のお客さんにチラシを配りたいという話があったとします。インハウスデザイナーのAさんはチラシのデザインを作りそれを[印刷会社]に発注、完成したチラシを[新聞社]に届けて折込チラシとしてキッチリ12月1日の早朝に配達してもらう手配をしなければいけません。

仕事の流れとしては[Aさんのデザイン]→[印刷会社の印刷]→[新聞社の折込]→[配達]という流れになります。

Aさんはスケジュールを作成するためにまず[印刷会社]に電話を掛けました。

Aさん
Aさん
キャンペーンの折込チラシを作ろうと思ってるんですが、デザイン入稿してから何日後に新聞社に納品できますか?
印刷会社
印刷会社
それなら発注を頂いてから10日あれば新聞社に納品できますね。
Aさん
Aさん
分かりました。ありがとうございます。

続いてAさんは[新聞社]に電話します。

Aさん
Aさん
キャンペーンのチラシを配りたいと思ってるんですが、チラシを納品してから何日後に新聞の折込チラシとして配れますか?
新聞社
新聞社
チラシを納品して頂いてから最短で2日後に配れますよ。
Aさん
Aさん
分かりました。ありがとうございます。

そしてAさんはそれぞれの業者から確認した印刷会社のチラシ印刷10日+新聞社の折込2日=発注してから12日後に折込チラシ配達というスケジュールを出し、11月19日をデザインの締切日として設定し仕事を進めました。

結果スケジュールの間に祝日が挟まれていて印刷会社の工程日数が1日長くなるという事に気づかず、発注段階で初めてAさんからチラシの納品日を聞いた印刷会社が工程を前倒しして何とか納品日に間に合わせてくれました。

どうすればよかったのか?

印刷会社の努力で何とか事なきを得ましたが、もしキャンペーンのチラシを配るのが1日でも遅れていたらどうなっていたでしょうか?そうなった場合本来ならキャンペーン初日にチラシを配っていた事で得られていた売上はAさんの給料の1ヶ月分?3ヶ月分?それとももっと?…考えるだけでゾッとしますよね。

このようにいくらスケジュールどおりに仕事を進めていたとしても、そもそもそのスケジュール自体が間違っていたら納期に間に合わなくなってしまいます。

ではデキるインハウスデザイナーのBさんだったらどのようにスケジュールを組んだでしょうか?Bさんがやった場合を書いてみます。

BさんはAさんと逆で、まず[新聞社]から電話を掛けました。

Bさん
Bさん
キャンペーンが始まる12月1日の朝刊で折込チラシを配って欲しいんですが、何日にチラシを納品したら配れますか?
新聞社
新聞社
チラシを納品して頂いてから最短で2日後…なので11月29日に納品して頂ければ12月1日に配れますよ。
Bさん
Bさん
分かりました。ありがとうございます。

続いてBさんは[印刷会社]に電話します。

Bさん
Bさん
11月29日にチラシを新聞社に納品して欲しいんですが、何日にデザインを入稿して発注すれば間に合いますか?
印刷会社
印刷会社
それなら発注を頂いてから10日…ですがその納期だと間に祝日を挟みますのでプラス1日、なので11月18日に入稿と発注をして頂ければ11月29日に新聞社に納品できますね。
Bさん
Bさん
分かりました。ありがとうございます。

そしてBさんは印刷業者から聞いた締切日11月18日というスケジュールを出し仕事を進め、特に問題なくキャンペーン当日の朝刊で折込チラシを配ることができました。

2人の大きな違いは、Aさんが最初に印刷会社に連絡したように、Aさんはスタート地点からゴール地点に向かってスケジュールを組み立てています。逆にBさんは折込チラシ配達というゴール地点からスタート地点に向かって、つまり逆算でスケジュールを組み立てています。

Bさんのように絶対守らなければならない納期を軸にして、そこから順々に道筋を立てていく。こうすることでスケジュール間違い、納期遅れのリスクをかなり減らすことができます。

さらにAさんが印刷会社に「発注してから納品まで何日掛かるのか?」を聞いているのに対してBさんは「納品日に届けるには何日に発注すればいいのか?」を聞いています。新聞社にも同様にです。

これは実際に良くある例なんですが、相手の担当者からは「発注から○○日で納品できる」という情報しか聞いてなくて、蓋を開けてみればそれは上記の例のように祝日は考慮していない日数だったり、土日は含まない印刷会社の営業日日数だったりというのがあります。新人がやってしまいがちなミスですね。

つまり必要な日時をあらかじめ明確にしておく事が重要になってきます。

Bさんの場合このおかげで印刷工程の間に祝日が挟まれていて1日分納期が長くなるというのをお互いちゃんと把握する事ができました。

ここで大切なのは掛かる日数ではなく「納品日は何月何日なのか」を伝えて「それに対して締切日は何月何日なのか」と逆順から確認する事です。

Aさんと印刷会社、新聞社の間で正確な締切日と納品日を全くすり合わせていません。Aさんは担当者に締切日を確認する事なく自分の中だけで11月20日が締切日だと勝手に決めてしまいました。ただ実際には印刷会社や新聞社の方から納品希望日を聞いてくれる事が多いのでこのような間違いが起きる事はそうそうないとは思います。

それでも納期遅れを確実に防ぐ為にはこちらから必ず確認しておく事を習慣づける必要があります。

まとめ

Aさんの例は現実に失敗した人を何人か見た実例です。インハウスデザイナーは1つの企業にわずか数人、もしかしたら自分ひとりだけというパターンもあります。デザイナーのノウハウが存在しない場合、自分で社内の立ち回り方を構築していかなければなりません。

ある程度自分の自由にできる分、責任も大きい仕事になる事も多々あります。それこそ冒頭で書いた納期遅れは社内での自分の信用に大きく関わる問題ですので真剣に取り組む必要があります。

ただチラシや広告を作るインハウスデザイナーというのはスケジュールを組むという点においてはその工程がさほど複雑ではない為、SEやプログラマーなどに比べて比較的やりやすい仕事だとも言えます。最終的にGoを出す決裁者が社内にいると言うのも良いところですね。

もし納期に間に合わない可能性が出てきたら早い段階で社内で報告し、納期をずらしてもらうなど対策を立てる必要があります。納期が過ぎた段階で「間に合いませんでした」は許されません。