私がまだ社会人になりたての若い頃、上司に一度だけ連れてきてもらったそば屋があります。地元ではかなり有名な老舗のそば屋らしく、私もそこで食べたそばがとても印象的でずっと覚えていました。
ただお品書きの値段的に言えば決して安いほうのそば屋ではないため個人的に行く事はなかったんですが、先日ふと数年ぶりにあのそばを食べたくなっていても経ってもいられず行ってきました。
私と歳の離れた堺出身の知人が生まれる前からあったそうなのでなかなか歴史のある老舗になります。今回はそんな堺の名店「ちく満(ちくま)」をご紹介したいと思います。
宿院の老舗そば処「ちく満」

ちく満は堺市の宿院の阪堺電軌阪堺線沿いの道路にあります。
店舗は食事処というよりなにかの工場のような外観をしており、店舗入り口が駐車場の塀に囲まれている上、それらしい看板も道路沿いには出していないので、たまたま通り掛かった人には多分飲食店だと分かりません。

しかしお昼時はいつもちく満にそばを食べに来るお客さんで混雑するようで、11時30分から13時00分までの間はお一人様の車の駐車を控えるようにお店からのお願いがあるほどです。恐るべし名店。

お店に入ると店員さんにお座敷の空いているテーブルまで案内されます。お座敷は古民家らしく畳張りで古き良き日本の雰囲気を感じる事ができます。
ちく満のお品書きはせいろそば1種類のみ。せいろそばを1斤、もしくは1.5斤で注文します。テーブルにはお品書きは置いておらずお座敷の入り口あたりに貼られていました。
せいろそば

店員さんにより、せいろに入った出来たての熱盛りそばと薬味のねぎとわさび、生卵、御銚子に入ったお出汁が運ばれてきます。

こちらが名店ちく満のせいろそばです。ちく満のそばは一般的なそばで言うところのコシがなく、しっかりと茹でられていてふんわりとした歯ごたえをしています。これを熱々のお出汁で頂きます。

御椀に生卵を割り入れ熱々のお出汁を注ぎ、お好みで薬味のねぎとわさびを入れます。このお出汁にそばをつけて頂きます。

このせいろそばの食感が当時の私にとってはかなり印象的でした。ただ食い意地を張っていた若い頃は正直どうしても量的に物足りなく感じていましたが、年を取り食事を楽しむという事を覚えだすと、こういうそばがとても美味しく感じます。
ちく満に来るお客さんもやはり若い層ではなくシニア層が多く感じました。大人がそばを楽しむ場所という感じですね。
ちょうどせいろひとつ分のそばを食べ終わる頃に蕎麦湯が運ばれてきました。御椀に残ったお出汁と割って飲むとこれまた美味しい。そういえば私が初めて蕎麦湯を飲んだのもこの『ちく満』でした。
また食べに来ようと思います。
店名 | ちく満 |
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住所 | 〒590-0958大阪府堺市堺区宿院町西1−1−16 |
営業時間 | 10:30~20:30 |
定休日 | 月曜日(祝日の場合営業、翌日休) |
喫煙 | 完全禁煙 |
駐車場 | 有 |