どうも、サブロー(@saburo_design)です。

世にも奇妙な物語の中でも割と最近の2015年4月に放送された『人気マンガ家競演編』の以下の5つの話。

  1. 面(原作者:永井豪)
  2. 地縛者(原作者:伊藤潤二)
  3. ゴムゴムの男(原作者:尾田栄一郎)
  4. 蟲たちの家(原作者:楳図かずお)
  5. 自分を信じた男(原作者:石川雅之)

5人の漫画家と世にも奇妙な物語の特別コラボレーション企画。この中でも伊藤潤二原作の『地縛者』の話がとても好きです。

簡単なあらすじを説明すると、日本全国で奇妙なポーズを取ったままその場から動けなくなる『地縛者』が続出し始める。社会福祉士の主人公(前田敦子)が原因を調査していくと地縛者となる人間にはある共通点があった…と言う話。

冒頭はタモリのこのような語りから始まります。

死亡した場所に強い怒りや悲しみを残したためにその場所に囚われている霊を『地縛霊』と言います。では、この物語に登場する人々はなぜ地面に縛られたように立ち尽くすことになってしまったのでしょうか?

今回はそんな『地縛者』のあらすじと感想を書いていきたいと思います。

※この記事はネタバレを盛大に含みますのでご注意ください。

世にも奇妙な物語『地縛者』

  • 世にも奇妙な物語『地縛者』
    世にも奇妙な物語『地縛者』

ある日から突然奇妙なポーズで立ったまま動けなくなる人間が続出し始める。この現象は日本全国で起こっており連日ニュースにも取り上げられていた。まるで地面に縛られたようにその場から動かすこともできない事から彼らは『地縛者(じばくしゃ)』と呼ばれるようになった。

ある日、主人公の浅野(前田敦子)が公園にいる地縛者のもとに訪れる。浅野は彼らの話を聞き地縛を解く為の方法を探していた。地縛者となってしまった事に心当たりはないかと尋ねる浅野だが地縛者達はなぜか話そうとしない。

  • 丘の上の木の元で地縛している息子とそれを心配そうに見守る母親
    丘の上の木の元で地縛している息子とそれを心配そうに見守る母親

次に浅野は、息子が地縛者となってしまった親子の元を訪れていた。丘の上の木の元で地縛している息子を心配そうに見守る母親。息子が地縛者となってしまった原因に心当たりは無いか母親に尋ねると、この場所は息子が以前飼っていた犬のポン太を埋めた場所だと言う。息子はポン太をとても可愛がっていた。

浅野は事務所に帰り、リーダーの早川に地縛者となる原因はその場所に強い愛着があるからではないかと報告する。地縛者の強い思い入れが本人をその場所に縛り付けていると浅野は考えていた。

その日の夜、浅野が自宅に帰るとそこには部屋の中で地縛者となって動けなくなっている早川がいた。『ここは君の部屋なのか…?』この場所が浅野の部屋だとは知らなかった様子。

浅野はこの部屋に何か思い入れがあるのか聞くが早川は知らないと言う。『この部屋に思い入れはないが、君になら特別な思い入れがある…』突然の告白に驚く浅野だがとりあえず今は早川の地縛を解く方法を考えようと言う。

  • 地縛者の強制撤去
    地縛者の強制撤去

次の日、全国の地縛者に変化が現れる。地縛者となってしまった人間の体が徐々に石化し始めてきていた。ボロボロと崩れ落ちる地縛者も…。

丘の上の親子のもとへ向かう浅野。そこでは石化が始まってる息子の足を泣きながら必死にさする母親の姿があった。浅野は『ポン太はこんな事望んでなんかない!お願いだから地縛を解いて!』と言うが息子が叫ぶ。『違う!ポン太が僕の事を許してくれるはずがないっ!!』

  • ポン太の死の真相
    ポン太の死の真相

その言葉に驚く母親と浅野。ポン太の死の真相を語る息子。ポン太に手を噛まれた息子はついカっとなってしまいポン太を布団に包み窒息死させてしまった…。『僕がポン太を殺したんだ!きっとポン太は僕を恨んでるっ!』

地縛者はその場所に愛着があるから地縛するんじゃない…自らが犯した過去の罪の意識、自分の後悔の念で自分自身をその場所に縛り付けている。

自宅に戻る浅野。部屋で地縛している早川に地縛者は罪の意識でその場所に縛られている事を説明する。『ここの管理人さんに聞きました。昔この部屋に住んでいた女性が通り魔に襲われて亡くなったって、早川さん…違いますよね…?』

  • 早川の罪の意識
    早川の罪の意識

早川は観念したように話し始めた。昔この部屋に住んでいた女性と交際していた。結婚も考えていたがその恋人に突然裏切られ、許せなくなって殺してしまったのだと言う。早川はその罪の意識でこの部屋に地縛していた。そして彼もまた首まで石化が進んでいた…。

浅野は母が病気で入院している病院に訪れていた。地縛者のポーズをマネして浅野を驚かせる母親。罪の意識が地縛者を生む事は既にニュースでも知られており『お母さんは絶対地縛者にはならないね…』とあきれる浅野。その時急に母親が急に苦しみ出しナースコールを慌てて押す。その姿がかつて父親が同じ病気で苦しみながら死んだ姿と被る。

浅野は思い出す。浅野はこの病室のベッドで急に苦しみ出した父親のそばに居ながらナースコールを押さず、父親をそのまま死なせてしまっていた。浅野に暴力を振るうろくでもない父親だった。忘れようとしていた記憶が蘇る。

誰もがみな何らかの罪を抱えて、その罪に苦しみながら生きているのかもしれない。でも…後でいくら悔やんだってもう遅い。

犯した罪は決して消える事はないのだから…。

  • 病院の外
    病院の外

病院の前で地縛者となってしまった浅野で終わり

『地縛者』の感想

地縛者のポーズがなんか怖い;

幽霊が出たりビックリさせる要素が何一つ無いのになんか怖かった。ただ変なポーズで動けなくなるだけの話なのにここまで怖さを演出できるのはすごいと思いました。

一番印象に残ってるシーンは、丘の上の木の下で地縛している息子の足の石化が始まり『固まらないで!』と言いながら母親が足をさすっているシーンです。その後の息子の『きっとポン太は僕を恨んでるっ!!許して!許してぇ!!』の悲痛な叫びのシーンも。

結局地縛を解く方法とか、なぜ急に地縛者が発生するようになったのかとかは全く明かされませんでした。最終的に主人公まで過去に父親を死なせてしまった罪の意識で地縛者となってしまいます。

この現象自体も奇妙ですが、その場から一切動く事ができない地縛者を興味本位で見ている他の人達や、どうする事もできない事が分かると地縛者を放置して毎日その場を普段どおりに通り過ぎていく人達もなんか怖いと思ってしまいました。テレビでマスコミとかも(モザイクを掛けてるとはいえ)地縛者を晒し者にしてました。

主人公にもサイコパスの片鱗が見え隠れしていませんでした??

主人公の行動を見てて(なんだコイツ…)って思う場面が多々ありました。前田敦子の演技のせいでそう見えてしまっているだけなのか、『あの子(浅野)なんか危なっかしいんですよね』と言う仕事仲間の台詞があるので脚本がワザとそれを狙っていたのか、どっちなんですか!?

どの程度の罪の意識で地縛者になってしまうのか分かりませんが、話を見る限り『人間を死なせた』『相手の人生を大きく狂わせた』レベルの人達が地縛しているので、そうそうなるものではないと思いますが、人によって罪の意識って違いますし…。

それでも現実でもし地縛者が発生したらものすごい数の人間が地縛してしまいそうですね。『悪気がない人間ほどタチが悪い』と言いますが、そういうクズ人間やサイコ野郎ばかりが生き残るのか、それとも地縛者になるのが嫌で犯罪が減り平和な世の中になるのか。

設定としては分からない事だらけでしたが、とても面白い話でした!

あと関係ないですが、今まで伊藤潤二稲川淳二が一緒だと思ってました。(稲川淳二は漫画も描ける人なんだとずっと思ってました。)