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2017 2 25

【世にも奇妙な物語】『13番目の客』入ったが最後出られない不思議な床屋に迷い込んだ主人公【※ネタバレ注意】

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どうも、サブロー(@saburo_design)です。

2001年に世にも奇妙な物語SMAPの特別編が放送されました。全5話で、番組で唯一すべての作品にSMAPのメンバーが主人公役を務めています。

エキストラ 香取慎吾
13番目の客 草なぎ剛
BLACK ROOM 木村拓哉
僕は旅をする 稲垣吾郎
オトナ受験 中居正広

私は2番目の草なぎ剛が出ている『13番目の客』の話が一番好きです。

簡単なあらすじを説明すると、主人公の本田謙一郎(草なぎ剛)が髭を剃る為にたまたま立ち寄った田舎道のど真ん中に佇む1軒の床屋。店員も奇妙な床屋だったが店から出ようとしても出られなくなっていた。…と言う話。

冒頭はタモリの語りから始まります。

どちらが幸せなのでしょうか?

鎖に繋がれている犬と、野放しになっている犬。鎖に繋がれている犬には自由はありません。しかし、決まった時間に餌をもらえる楽しみ。散歩に出るときの喜びがあります。

繋がれていない犬は一日中食事も散歩も自由です。

…どちらが幸せなのでしょうか?

今回はこの『13番目の客』のあらすじと見た感想を書いて行きたいと思います。

※この記事はネタバレを盛大に含みますのでご注意ください。

世にも奇妙な物語『13番目の客』

  • 殺風景な床屋
    殺風景な床屋

『300円割るまでなんとしても交渉しろ!もし切れたら150ケース発注しておけ!』そう言い部下との電話を切るマーケットを経営している若手社長の本田謙一郎。今日は1月8日の成人の日、彼は有名な政治家の息子の結婚式に出席する為に田舎道を車で走らせていた。自分のヒゲが伸びている事に気づいた本田『コレじゃ印象悪いな…』。するとちょうど『理髪店』の看板が見える。

田舎道にぽつんと1軒佇む殺風景な床屋の建物。『これ大丈夫か…?』心配になりながらも店に入る本田。『いらっしゃいませ!』出迎えたのは13人の店員だった。驚く本田だったが促されるままカットチェアに座る。店に席はこのひとつだけ。本田以外に客がいるようには見えない。

『ヒゲだけ剃って、時間ないから』と言う本田、しかし『そうはいきません』と返す店員。

店員全員がそれぞれの準備をテキパキ行っていく。ハサミを用意する者、カットクロスを被せる者、イスを最適な高さに調節する者、顔剃り用のフォームを泡立てる者。蒸しタオルを用意する者。髪にスプレーをする者…。『だから髪はいいって!』しかし店長らしき人間が髪を切り始める。それを他の店員が周りを囲むように見ている。

  • カットを始める
    カットを始める

『ハサミを入れる前に、その人の髪をじっくりと観察しなさい。毛髪はどう流れているのか?頭皮の立ちはどうか?それを見極めることなく、髪に形を与えることは無益なことです…』

『人には人の形がある…。身の程に合った形が、美しいのです。』

他の店員に説明するようにゆっくりと髪を切っていく店長。『見習いの指導はあとにしてくれ!急いでるって言ってるだろ!』しかし『そうはいきません。この店の秩序ですから…』と誰も本田の言葉に耳を貸す様子はなく、ただひたすら店長が髪を切る様子をみていた。店長はひとつひとつの工程をゆっくり、丁寧に説明しながら本田の髪を切っていった…。

『…できました』切り終わった店長に『完璧な仕上がりです!』と声を掛ける店員。既に諦め顔の本田。『もう間に合わない…』時計を見てつぶやく本田を無視してなぜかスーツに着替えて荷物をまとめている店長。『ありがとうみんな…』そして他の皆との別れを惜しむように店の門から出て行った。

見送る店員達、中には涙を流す者も。『何やってんだこいつら』勝手な店員達に怒り心頭の本田は店長に続いて門から出ようとするが…出られない。門が閉まっているわけでも、誰かが邪魔しているわけでもない。門の向こうの景色が見えているのに門の外に足が出ない…。

  • 店を出て行ってしまった店長
    店を出て行ってしまった店長

本田が立ち止まっていると後ろから店員の1人が声を掛ける『さあ本田さん、まずは床掃除から!』

ここでは客が来ると13人のうち序列にしたがって1番の者が髪を切ることが許され、客の髪を切り終えた者のみここから出て行くことが出来る。つまり今から13番目に来た客の髪を切らないとここから出られない。客がここに来るのはだいたい1~2ヶ月に1度。ここにいる全員本田と同じように最初は客として入ってきて同じようにここから出られない者達だった。『それがこの店の秩序です』

本田は今日の結婚式がどれだけ重大なものか説明するも『それがそんなに大切な事なんですか?』『祝う気持ちもない結婚式に出る事が!』『あなたが外で何があったかはここでは関係のない事!』『今この一時のあなたが全てですよ!』全員からそう言われるも納得がいかず大暴れする本田は全員に取り押さえられロープで縛られ店の隅に拘束された。『あなたはもう出られないんですよ!一緒に頑張りましょうよ!』

それからは店員全員がそれぞれの作業に入る。序列の低い者は掃除。ハサミの握り方の練習をする者。そしてそれを教える者。本田はその間も部屋の隅で項垂れていた。

食事の時間。1日を為した人間のみ食事が与えられる、それがここの秩序のため本田には食事は与えられない。しかし本田の次に序列の低い久保が発言する『私達が与えられたこのパンを彼に分け与えることは…秩序を乱す行動でしょうか…?』誰もいなくなった食堂で本田はひとり、目の前に置かれた12切れの分け与えられたパンを見つめていた。そっと手を伸ばしパンを食べる。本田は涙を流した。『…おいしい…おいしいよ…』

  • 床掃除をする本田
    床掃除をする本田

次の日、本田は12人の序列に加わっていた。モップで床を磨く本田。『誰もが嫌がる仕事を行い、気にかけないところにも手をかける。磨くのはあなたの心です。』

1ヵ月後、1人客がやってきて髪を切り1人去る。本田は床の掃除から次は洗髪台清掃の担当になった。『違う、それじゃあ床磨きと同じです。本当の白さとは何か?それを問いかけてください』

そしてまた次の客が来る。今度はハサミの握り方を練習する本田。一つの作業を終える充実感、次のステップへ進んでいく喜びを確かに感じながら本田は着実に序列を登って行った。

ある日の夜、本田より序列が高い楢崎と話す。『ここでの生活も慣れたようですね。最初にあなたが来た時とはまるで別人のようです。』それは言わない約束ですと本田は笑う。

人間が新しい生活や文化に接すると4つの段階を経験すると楢崎は話す。1つ目の段階、それは『好奇心』観るもの聞くものすべてが楽しい。2つ目の段階は『不満が起きる』。今まで自由に出来ていたことが新しい環境ではできない不満と苛立ち。この床屋では1つ目の段階がないのでここから始まる。3つ目は後から来た者への知ったかぶり。そして4つ目でそこの文化を理解し、自分のモノにする。つまりそこの住人になる。

『でもね、ここを出るともう一つの段階が待っているそうなんですよ。』

しかし楢崎もその段階は知らないと言う。

本田の序列も上から数えたほうが早いところまで来ていた。新しく来た新人に仕事を説明するまでになっていた。『床を磨くんじゃない。己の心の曇りを磨くんだ』ここに来る客は最初は戸惑いこそするものの意外とすんなり受け入れる人が多いと言う事が分かった。

そして序列が1番になった楢崎が客の髪を切り、この床屋を出て行く日になった。楢崎はここに来る前は郵便配達員だった。配達の仕事中にこっそり髪を切りに来て出られなくなった。『必ず見つけてみせますよ。次の段階を!』そう言って郵便配達用の自転車に跨り門をくぐって行った。『私も必ず追いかけます!』本田は楢崎を笑顔で見送った。

  • 楢崎が店を出る日
    楢崎が店を出る日

季節は流れ…一人が入って一人が居なくなる。本田の序列は1番になっていた。そして客がやってくる。本田にとっての13番目の客が。客は激昂していた。『俺は86人の従業員を抱える洋服メーカーの経営者なんだ!今日は大事な商談があるんだよ!早く俺をここから出せ!』まるでここに来た時の本田のようだった。本田はゆっくりと丁寧に話す。

『時間に追われ、目を真っ赤にして仕事に没頭して、それが何になる?心も体もボロボロになって、家庭をなくして…その先になにがある?』

本田の説得に観念したのか席に座る客。客の髪を切り始める本田。

『髪の流れにはその人の生き様が現れます。人には人の形がある。それを見極めずして形を与えるのは醜い行いです。』『クシ一つをすくい上げます。そこに忘れていた風が通り抜ける。人は未来の自分を見つけ直すのです。』

  • 本田が出て行く日
    本田が出て行く日

門の前に立つ本田。1年前、最初にここに来たときは出ることができなかった門。当時着ていたスーツを身にまとい門を…くぐった。後ろでは愛する仲間達が盛大な拍手と共に本田との別れを惜しんでいる。振り返らず、すがすがしい表情で外へ歩いていった。

…本田の携帯が鳴る。出てみると部下からだった。

『社長!やりましたよ!なんとか300円切れました!150ケース発注しておきましたよ!』

部下が何を言っているのか分からない本田。矢継ぎ早に仕事の話を続ける部下に本田は『…今はいつだ?』部下は不思議そうに今日は1月8日の成人の日でしょう?と答える。政治家の長男の結婚式があった日。本田は楢崎の言葉を思い出す。

ここを出るともう一つの段階が待っているそうなんですよ。

携帯を落とす本田。急いで床屋に向かって引き返す。道の途中には郵便配達用の自転車が倒れていた。店まで辿り着くも、門だけ残して床屋は跡形もなく消えていた。『見えない…見えない…。』本田は膝から崩れ落ちる。

  • 無くなる床屋
    無くなる床屋

『もう一度入れてくれ!お願いだからもう一度俺を入れてくれ!』

門の前でひたすら叫び続ける本田で終わり。

感想

いい感じの話かと思ったら怖い話だった。

怖い話か?ホラー系の話か?と思わせておいて、あっやっぱりこれ良い感じの話か…と思わせておいてやっぱり怖い話でした。

ちなみに最初にテレビ放送で見た時はラストの『時間が全く経過していなかった』というのが全く分からず、学校で友人に聞いてようやく意味が分かりました。ただなんで主人公が最後に『入れてくれ!』と叫んでいたのかは誰もよく分かってませんでした。

最後がよく分からなかったけどなんか怖かった。

…という感じで印象に残ってました。最後の主人公が叫んでいるシーンがBGMと併せてすごく印象的です。当時中学生だった私達にはちょっと難しかったかもしれませんね。

冒頭のタモリの語りと合わせて考えれば意味が分かるのですが、最初は拒んでいた床屋の中の環境が当たり前になった主人公が、いざ元にいた環境に戻ると今度はこの環境を拒んでしまうという話です。元の環境に戻ることを望んでいた主人公が元の環境に戻ると、床屋の中の環境が幸せだったと気づくんですね。

大人になったら『あ~…なんか言いたい事は分かるわ』ってなりますけど子供には多分この気持ちは分からないですよね。

関係ないですけど『床屋』と『散髪屋』と『理髪店』ってなんか違うのかと思って調べてみたら、ただ地域柄の読み方の違いと古い呼び方の違いだけで意味は一緒らしいですね。

世にも奇妙な物語の『SMAPの特別編』で放送された5本の話の内、これが一番好きな話でした。(一番アレだと思った話はキムタクのBLACKROOM…)

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